サーバ名、どう決める?「ジブリの由来」から「美味しい名前」まで、運用が楽しくなる命名アイデア集

はじめに

投稿を表示

こんにちは、マージナルゲイン代表の猪俣です。

エンジニアやシステム管理者が新しい環境を構築する際、地味ながらも頭を悩ませるのが「サーバのホスト名(ネーミング)」です。 web01, db01 といった連番は機能的ですが、リプレイスで役割が変わった時に名前と実態がズレたり、無機質で愛着が湧きにくかったりします。

今回は、「入力しやすさ」「種類の豊富さ」、そして「運用中の会話が少し楽しくなる」という観点で、おすすめの命名シリーズと、意外な注意点をご紹介します。


1. カッコよさと雑学の「世界の風」

目には見えないけれどシステムを動かす力、そしてサーバ冷却(ファン)のイメージから、「風」の名前は非常に相性が良いです。

実はスタジオジブリの「ジブリ(Ghibli)」も、サハラ砂漠に吹く熱風の名前(イタリア語)が由来だというのは有名な話です(元々は飛行機の名前でもあります)。

  • Ghibli : サハラ砂漠の熱風
  • Mistral : フランスの北風(新幹線の試験車両などの由来)
  • Sirocco : アフリカからの熱風(ガンダム等の機体名でも有名)
  • Zephyr : 西風(ギリシャ神話由来のそよ風)

「今のプロジェクトは熱いから Sirocco にしよう」「軽めのサーバだから Zephyr で」といった使い分けも粋です。

2. 親しみやすさNo.1「動物」シリーズ…でも注意が必要?

Lion, Tiger, Wolf など、動物の名前は可愛く種類も豊富、スペルも簡単なので人気のカテゴリです。しかし、このシリーズには運用上の「罠」があります。

ある現場での笑い話です。 DogCat という名前をつけて可愛がっていたところ、ある日サーバ障害が発生。 アラート通知とともに現場に響き渡ったのは「犬が死んだ!」「猫が反応しない!」という悲痛な叫び声……。

ただの再起動作業が、まるでペットの安否確認のような悲壮感に包まれてしまったそうです。 動物シリーズを採用する場合は、「愛着が湧きすぎない猛獣(Bear, Sharkなど)」を選ぶか、あるいは「幻獣(Dragon, Phoenixなど)」にしておくのが、精神衛生上よいかもしれません。

3. 毎日の運用が美味しくなる「食べ物・料理」シリーズ

身近な単語なのでスペルミスが起きにくく、平和な気持ちで運用できます。

スパイス・ハーブ (Spices & Herbs)

平均文字数が短く(3〜6文字)、キリッとした響きでサーバ名に最適です。

  • Basil, Mint, Sage, Thyme, Cumin
  • 用途案: 小さなマイクロサービスや、コンテナ名などに。

パスタの種類 (Pasta)

イタリア語の響きが良く、種類も豊富です。

  • Penne, Fusilli, Orzo, Farfalle
  • 用途案: 形状のイメージに合わせて、太い回線には Fettuccine、筒状(トンネル)には Macaroni など。

果物 (Fruits)

AppleやApple以外でも、短くて可愛い名前がたくさんあります。

  • Lime, Plum, Kiwi, Berry, Mango

4. ロマンあふれる「星と宇宙」シリーズ

定番中の定番ですが、選び方にコツがあります。

星座 (Constellations)

88個もあるので枯渇しませんが、スペルが難しいもの(Sagittariusなど)は避け、短めのものを選ぶのが運用を楽にするコツです。

  • Lyra (こと座), Vela (ほ座), Leo (しし座), Orion (オリオン座)

太陽系の衛星 (Moons)

惑星(Jupiterなど)は有名すぎますが、その周りを回る「衛星」は種類が豊富で、神話由来のかっこいい名前が多いです。

  • Titan (土星の衛星), Io (木星の衛星), Phobos (火星の衛星)

5. システマチックに管理する「空港コード」シリーズ

旅行好きにはたまらない、アルファベット3文字固定のコード(IATAコード)です。 ログを見た時に文字数が揃うため、可読性が高いのがメリットです。

  • HND (羽田), LHR (ロンドン), CDG (パリ), SFO (サンフランシスコ)
  • 活用法: 外部通信が多いサーバには「国際空港」の名前をつけるなど、役割とリンクさせやすいのも特徴です。

まとめ:名前はチームの文化になる

いかがでしたでしょうか。 たかが名前、されど名前。 毎日何度もタイプする文字列だからこそ、「打ちやすい(1秒の短縮)」「覚えやすい(ミスの削減)」、そして「運用が少し楽しくなる」という小さなメリット(Marginal Gains)を積み重ねることが、長期的なチームの雰囲気を良くしてくれます。

みなさんの現場では、どんな命名規則を使っていますか? これから新しい環境を作る際は、ぜひチームの好みに合ったシリーズを選んでみてください。(ただし、ペットの名前をつける時は覚悟を持って!)

私たちについて

マージナルゲイン株式会社は、社名の由来でもある「小さな改善の積み重ね(Aggregation of Marginal Gains)」を大切にするシステム開発会社です。

今回ご紹介した「サーバ名の命名規則」のような、一見すると些細なこだわりの一つひとつが、最終的にはシステムの安定性や運用効率、ひいてはエンジニアの働きやすさに繋がっていくと私たちは信じています。

私たちは、インフラ構築からアプリケーション開発、日々の運用保守に至るまで、お客様のビジネスを足元から支える技術パートナーです。「ただ動けばいい」ではなく、「使いやすく、管理しやすい」システムを共に作り上げていきませんか?

「今のインフラ環境を見直したい」「新しいシステム開発を検討しているが、どこから手をつければ良いか分からない」といったお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

👉 お問い合わせはこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次